コロラド・スタイル?玉ウキ仕掛のアウトリガー・ニンフィング!

先日、養沢毛鉤専用釣場、そして桂川忍野へ米国人ゲストのケビンを案内したのですが、彼のケビンの釣り方、コロラドスタイルを改めて詳しく紹介したいと思います。

地元コロラドの川でピンクのサン・ファン・ワーム
使ってカットスロートトラウトを釣ったケビン。

まず彼の釣りの背景を紹介しましょうか。
彼が住んでいるのは、米国に限らず世界有数のトラウトフィールドとして名高いコロラド州です。北米大陸西海岸を南北に連なるロッキー山脈の一部です。

今年に入ってから何枚か、自宅から車で1時間程度で行けるそのフィールドの写真を何枚か送ってくれたので以下に紹介しておきます。

ブルックトラウト、レインボートラウトそして野良ムース(笑)。

主に釣れるのは、ニジマス、ブルックトラウト、ブラウントラウトそしてカットスロートトラウトだそうです。
カットスロートトラウト Cutthroat trout と言うのは馴染みのない方も多いかもしれませんね。ニジマスの亜種ですが、あごの下、のどに見立てた部分に鮮烈な赤い筋模様が入っていて、あたかものどが切れているように見られることから「カット・スロート Cut throat」つまりノドキレと呼ばれているトラウトです。

山上湖、カットスロートトラウトそして野良ターキー(笑)。

彼の持ってきたフライボックスの写真が下にあるので確認してみてください。普段コロラドの川で使っているフライと同じだとのことですが、非常に興味深いです。

大きくニンフとドライフライに分かれていますが、ニンフはボディ内にしっかりとウェイトが仕込まれているようでした。その上でほぼすべてのニンフにアピールを高めるビーズヘッドかウィングケースの反射素材が使われています。
ドライフライを見ると、ヘアやハックルをしっかりと密に巻いたフライと、フォームマテリアルのビートル系のフライとなっています。
そして見逃せないのが左隅にまとめられたサン・ファン・ワームですね!

イーグルリバーのカットスロートトラウト。

総じて言えるのはアピールの強さです。ニンフフライはしっかり沈めた上できらめきを持ってアピールする。ドライフライはしっかり浮かせた上でそのボリュームでアピールする。ワームに関していえば・・・これ以上のアピールはないでしょう!(笑)
ニジマスやブルックトラウトは比較的派手なフライを好む傾向がある上に、彼の地の川はきっと強く太く深い流れが多いのであろう、と想像できます。


ただし、この写真からではわかりにくいですが、豪快なイメージに反してフライは相対的に小型のものが多いです。
ピンクワームの隣(下)に茶色っぽいシェニールボディのグローワームというアトラクターニンフフライがあって、それが最大で8番のストリーマーフックに巻かれていると思うのですが、それ以外は小さいです。
ワームで16番くらい。ドライフライ(フォームビートル)、ニンフともに最大が14番くらいで、メインとなるフライのサイズは18番か16番といったところです。
10番のロイヤルコーチマンがずらりと並んだ僕のボックスを覗いて、「こんなデカいフライ使うのか?」と驚いていました(笑)。

***

さて、ここからが本題ですが(笑)、ここで呼んでいる「コロラドスタイル」とは一体どんな釣り方なのか、詳しく見てみましょう。


まずそのリグ(仕掛け)の中で目を引くのは専用のインジケーター、というか玉ウキですね。彼らもボーバー(ウキ)と呼んでいるので、これは「ルースニング」なんて言う生易しい(?)釣り方でなく、正しくウキ釣りフライフィッシングです。
現地では専用のボーバーが何種類か販売されているようですが、日本でやるならゴム管を通して普通の脚付き玉ウキを使っても、または中通し玉ウキを利用しても良いと思います。

参考までに写真のボーバーの使い方のビデオがあったので以下に紹介しておきます。「エアロック・インジケーター Airelock indicator」という商品名のようです。
(*注、後日確認したところ、某大手釣具チェーン渋谷店のフライコーナーにて同エアロック・インジケーターが販売されていました。店員さん曰く、サーモン用に仕入れたとのことです。)


そして、より重要なのはリーダーにニンフフライを2本ないし3本セットすることです。ウェットフライのドロッパー・リグ(枝針)とは違い、上で紹介した写真のようにドロッパーのフックに直接ティペットを結び、リードフライと接続していました。
そして、この時注意するのはドロッパーにウェイトを仕込んだ比較的重たいニンフを用いることです。

実際に使っていたフライ。
左がドロッパーのウェイテッド・ビーズヘッドニンフ。
右がリードフライのサン・ファン・ワーム。

つまりドロッパーをオモリ代わりに使ったアウトリガー・リグと言えます。これによりティペットが流に引かれて浮き上がることがなくなり、フライが流れに馴染みやすくなります。当然流れが早く、また水深が深ければ重いフライをドロッパーに用いるべきでしょうし、逆なら反対となるでしょう。
ただし水面直下などを釣る方法なら他にも色々あるので、やはり水深の深い場所を探る手立てと考えるのが素直な釣り方なのではないでしょうか。
そしてその重たいドロッパーを使いながらしっかり当たりをとるための手段が浮力の強いボーバーと言うわけです。


このボーバー・リグの意図することさえ理解できれば、自分の釣り方に合わせて色々応用することが可能です。
例えばドロッパーの重いフライをやめてシンプルにスプリットショット(オモリ)を付けることも考えられます。(先日の忍野ではこの方法で結果を得られました。)

ただし逆説的ではありますが、アメリカでこの重たいフライを使う方法が採用された理由の一つには、一部の河川ではオモリ(鉛)の使用が環境に与える影響を考慮されて制限されたということもあることを知っておいて良いでしょう。

僕もケビンのタックルを借りてコロラドスタイルで初キャッチ。

インジケーターを用いたルースニングも、オモリを併用したアウトリガー・ニンフィングもずいぶん昔からある釣り方なので、今あえてコロラドスタイルなどと言って特別なものに仕立てる必要はないのかもしれません。
ただし、すでに当ブログ内の「ハウツー・フライフィッシング」で紹介しているルースニングと改めて比較することにより、参考になることも少なくないのではないでしょうか。

僕自身、水中でのフライの流し方を強く意識しなおすきっかけとなりました。普段、渓流での釣りはドライフライがメインであり、時折使うニンフも、あくまでも水面直下や比較的浅い層を流す、ドライフライの延長的なアプローチが多いのですが、今回は改めて水中のフライの流され方をとらえなおす一助になりました。

ケビンが日本で釣った最初のトラウトはサン・ファン・ワーム(ミミズ)でした!

ちなみにタックルについてですが、彼は9フィート5番ウェイトのロッドを用いていました。実際、ボーバーの抵抗を考えると5番ライン以上でないと扱えないと思います。そして5番タックルを使っているとはいえ、一般的なフライキャスティングは難しいというのが本音です。

ポイントにもよりますが基本的にはなるべく近づいてロールキャストがライントラブルの少ないプレゼンテーション方法で、オーバーヘッドキャスティングの際はフォルスキャストはほとんどなしでピックアップ&シュートで割り切ってしまうのがコツと言えるかもしれません。

興味ある方は是非トライしてみてください。


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この時の釣行レポート詳細は以下をご参考ください。
コロラドスタイルがやってきた!(①養沢毛鉤専用釣場編)
コロラドスタイルがやってきた!(②桂川忍野編)

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