2015年3月23日月曜日

閑話休題:フランク・ソイヤーのフェザントテイル・ニンフ

フェザントテイル・ニンフ(PTN)は我々が一般的に知っている現代的なフライフィッシングの中では最も古いニンフフライの一つです。
世界中で色々なバリエーションが試され、また多くの著名なフライアングラーがその可能性を賛美しています。


僕自身もPTNは最も好きなニンフフライであり、ソラックスにピーコックハールを用いたり、ビーズヘッドのパターンを多用しています。

しかしそのオリジナルである、最も基本的なパターンはフェザントテイル(キジの尾羽)・ファイバーとコパーワイヤーのみの実にシンプルなフライであることは案外忘れられがちです。
「シンプルさ」とはどういうことなのでしょうか?
実はこのフライのタイイングは、タイイングバイスやスレッド(糸)を保持するボビンといった必須のタイイング道具がなくても巻けてしまうのです!

はじめに、このPTNに関する言い尽くされた歴史をちょっとだけ紹介します(笑)。
PTNはイギリスの伝説的なリバーキーパーであるフランク・ソイヤー氏 Frank Sawyer によってデザインされ、これ以外の氏の考案したフライパターン同様、南イングランドのチョークストリームでよく使われています。
PTNは一般的に「メイフライ・オリーブ」のパターンとして世界中に知られていますが、もちろんメイフライニンフ全般のイミテーションとして使うことができます。
もちろん日本でも#12~#18くらいのサイズを揃えることで渓流から湖まで、一年中使うことができます。

この「オリジナル」のPTNが他のフライと決定的に異なるのはタイイングスレッドを用いていない事です。
そう。糸を用いずにフライを巻きます。
フライに巻き込む「オモリ」、虫の体節を表すと共にフェザントテイル・ファイバーの補強として機能する「リブ(リビング)」、そしてマテリアルを固定する「スレッド」の全てをコパーワイヤーで兼用することで最もシンプルなフライを完成させています。

それでは氏のオリジナルに倣ってPTNを巻いてみましょう。


いかがですか?
ごつごつした感じから民芸品の様なほのぼのとした印象を受けます。
多くのマテリアルを駆使してかっちりと巻くフライは、ともすれば工業製品のような完成度を誇りがちですが、自然の中で個人的な経験のためにフライフィッシングを楽しむならプロダクトとしての完成度を求める必要はありませんね。

フライタイイングに興味があるけれど、道具を揃えるのがちょっと・・・と言う方、まず「フライ・フック」、「フェザントテイル」、「コパーワイヤー」の三つがあれば指先を駆使してメイフライのニンフパターンが巻けますよ。
一度、トライしてみませんか?!


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もちろん「フライタイイングは勘弁。完成フライが欲しい!」と仰る方はパドルフリークス・アウトフィッターのフライをどうぞ!


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