2017年2月23日木曜日

ウキとオモリ@はじめての魚釣り

2.小物釣りの基本の仕掛け
【ウキとオモリとウキ下の関係】
 ウキ釣り用の仕掛けを作ったら、オモリの調整が必要です。
 ウキは、脚付きウキならゴム管を用いて、中通しオモリなら木製の栓(楊枝の先など)でそれぞれ道糸の任意の位置に留まるよう固定して使うことは【基本の道具をそろえる】や【ウキについて詳しく知りたい】の項目ですでに紹介しましたが、この時、ウキから釣針までの長さのことを「ウキ下(うきした)」と呼びます。ウキとオモリの調整で浮力のバランスを整えることによって水中の思い通りの場所(深さ)に釣針、つまりエサを届けることができるようになります。



①オモリの調整
 まず、ウキ下をごく短くしてオモリの重さをウキと釣り合いがとれるように調整します。ここでは分かりやすいようにトウガラシウキを使った仕掛けで調整してみます。ウキ下は20cm程度で十分ですし、自宅で細長いコップやペットボトル、お風呂の浴槽などに水を入れて行うならもっと短くても構いません。水深よりも浅く(ウキ下を短く)して下さい。

 基本の仕掛けを作った際、ごく小さなガン玉(オモリ)を道糸に付けたと思いますが、その状態でとりあえず仕掛けを水に入れてみましょう。もしトウガラシウキが水面にまっすぐ立たず、横になって浮かんだり斜めになっている場合、ウキの浮力に対しておもりの重さが軽すぎると判断できます。この場合、丁度良いバランスになるように幾つかオモリを付け足して、ウキが水面にまっすぐ立つようにします。ウキが沈んでしまう場合は逆にオモリが重すぎるので幾つか外してください。
 ウキの頭が1cmくらい水面に出て浮かぶくらいが丁度よいオモリのバランスで、この状態が基本となります。ウキの頭の部分(トップ)は見やすいように赤く塗ってあるものが多いので、この赤い部分のみ水面上に浮かんでいる状態が理想的と言えますが、まずはそれほどこだわらなくてもウキがまっすぐに立っていればOKです。
 実際のところ、長さ5cm位のトウガラシウキの場合、小さなガン玉(直径3mm位)1個で丁度良い場合が多いです。ちょっと分かりにくいですが下の写真は【ウキについて詳しく知りたい】で紹介した立ちウキの左から3番目のトウガラシウキですが、ガン玉1個で丁度ウキの黄色い帯の目印が水面に合いました。


 より繊細な浮力のバランスを求める場合は板オモリが必要になりますが、まずは大体のバランスで問題ありません。もし手持ちの最も小さなガン玉一つでもウキが沈んでしまう場合はウキのサイズを大きくする必要がありますが、仮に大きなウキもないのだとしたらそれは割り切ってエサを底に付けた状態で釣ることにしましょう。

②水深の測り方とウキ下の調節
 魚釣りの重要な基本技術に水深の測り方があります。川でも湖でも水面直下から水底付近までの深さの幅の中にまんべんなく魚が泳いでいる訳ではありません。中層を泳いでいたり、水底付近を泳いでいたり、あるいはハゼなどは吸盤状の腹ビレで水底に掴まっています。それら魚が泳いでいる深さの層を「タナ」と言い、ウキ下の長さを決めることは、このタナに合わせることでもあります。同じ魚でも季節や天候で水面近くを泳ぐこともあれば、水底付近に潜むこともあるので、「今日はタナが浅い」、「もう少しタナを深くしよう」などという言い方をして釣りの最中にウキ下を変えたりもします。
 ウキ下をむやみに浅くしたり深くしたりと動かしても意味がないので、その基準となるのは魚の習性と、その場所の水深の深さです。
 それでは実際に仕掛けを使って計ってみましょう。

  1. ウキ下を適当に短くして釣ろうとするポイントに仕掛けを投入する。
  2. オモリのバランスが丁度よいことを確認してから、徐々にウキ下を長く(水深が深く)なるようにウキの位置を(穂先に向かって)移動させる。
  3. それまで水面で垂直に立っていたウキが、横に寝てしまった瞬間の深さ、ウキからオモリまでの長さがその場所の水深となります。つまりオモリが水底に着いたためウキを水中に引っ張ることができなくなりウキ下の道糸がたるんでウキが寝てしまったということです。
  4. 道糸のたるみがなくなる程度にウキの位置を下に移動させることで正確な水深がわかりました。水底にエサを這うようにおいておきたいのであればそのまま釣れば良いし、もしオモリから針先までの長さが仮に10cmあるのだとしたら、ウキの位置を10cm下に移動させれば、エサの位置は水底ぎりぎりにあることになります。さらに10cmウキを下に移動させればエサは水底から10cm上に漂うことになります。
  5. ちなみに上記の一連の行為を手早く行うには、消しゴムを1cm角くらいのサイコロに切って釣針に刺しておくと便利です。釣具屋さんでヘラブナ釣りのコーナーに行くと、この水深を測る(「タナを取る」、「タナ取り」とも言う)専用のゴム玉を売っていますが、まぁ消しゴムでも十分です。
  6. このようにウキ下を短くすることを「タナを浅くする」と言い、エサが水底から離れることを「底を切る」とも言います。逆に確実にエサを水底に置くことを「底を取る」と言います。

③基本となる魚のタナ
 多くの場合、水底付近から釣り始めることが多いのですが、底を取った状態でないと釣れない魚もいます。その代表がハゼです。詳しくはハゼの釣り方のページをご覧いただきたいのですが、ハゼ釣りではここで紹介した細かいウキとオモリの調整は不要で、ウキの浮力がオモリの重さに負けて常に沈んでしまうくらいにしてしまった方が良いです。その状態でウキが水面に浮かぶようにすれば、確実にオモリから下は水底に着いていることになります。
 フナも基本的には底を取るべき魚です。
 一方、モツゴ(クチボソ)やモロコなどは底付近ではあっても底を切って釣った方が良いでしょう。また、ウグイやオイカワなどは真冬以外は中層から上層(水面付近まで)を素早く泳いでいることが多いです。

 水中のどのタナにエサを定位させるかと言うのが釣りの難しいところであり、このタナを設定することを「タナ取り」と言い、釣果に直結する重要な作業です。そこでこの際、狙うタナの呼び名も覚えてしまいましょう。
 確実に「底を取り」エサが水底に着いている状態を「べた底」と言います。逆に水中の真ん中辺りにエサを浮かせて釣る状態は「宙釣り(ちゅうづり)」、底付近は「深宙釣り(ふかちゅうつり)」と言います。また小物釣りではあまり使わない言葉ですが、春の産卵期にヘラブナを水面直下で釣る釣り方を「かっつけ釣り」と呼びます。また多くの魚が産卵期になると岸よりの極端に浅い場所へ集まってきます。この状態を「乗っ込み(のっこみ)」と呼び、春の大釣りシーズンとして認知されています。

 以上、トウガラシウキ(立ちウキ)を使った場合について中心に説明しましたが、玉ウキの場合は細かな浮力の調節はとりあえず不要です、べた底を釣る場合(ハゼ釣りなど)はウキの浮力以上のオモリをつける必要がありますが、それ以外ではそれ以外ではあまりナーバスにならなくても大丈夫です。ただし正確な水深を図りにくいという難点もあります。トウガラシウキと同じように水深を測るにしても玉ウキの場合水面での状態に変化が現れないためウキしたの道糸のたるみ具合で判断するしかありません。
 そのため、止水エリア(湖沼や池)などで正確な水深、タナを釣りたい場合は立ちウキを、やや流れのはやい場所でウキの浮力が必要な場合は玉ウキを使うと良いでしょう。
 
 最後に、釣場で交わされる専門用語のあいさつを紹介してこのページを閉めたいと思います。
 「おはようさん。釣れてるかい?タナはどう?」
 「今さっき深宙(釣り)ではじめたところ。ぎりぎり底を切ったくらい。」
 「今日は温かいからタナは浅いかもしれないよ。」
 「しばらくやって当たりが出なかったら、少しづつ浅くしていくかな。」

 こんな会話が出来たらベテランです!


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